Interview

遥元杏
卒業生が語る
スクールの魅力!!

株式会社ポニーキャニオンが運営する声優アーティストスクール「P’s Voice Artist School」(以下、PVAS)。演技だけでなく、歌やダンスも含めた総合的なスキルを現役プロの講師から学べる環境で、多くの卒業生が声優として活躍しています。
声優や声優アーティストを目指すために、スクールへ入ろうか進路を悩んでいる方たちに向けて、同スクールの卒業生で『中禅寺先生物怪講義録 先生が謎を解いてしまうから。』や劇場アニメ『ひゃくえむ。』などに出演する遥元杏にインタビューを実施。スクール生時代の経験やPVASならではのレッスンの魅力、声優を志すための心構えなどを聞きました!

 

──声優を目指した最初のきっかけを教えてください。
遥元 小さい頃からアニメもゲームも漫画も大好きで、『ポケモン』『プリキュア』『FAIRY TAIL』『マギ』『HUNTER×HUNTER』など、ジャンル関係なく夢中で観ていました。あまりに好きすぎて、「いつか空を飛んだり、魔法が使えたりするようになるかも」と本気で思っていたくらいです(笑)。
そんなある日、ふとエンドロールを観ていて、キャラクター名の横に別の名前が並んでいることに気づいて。「この人は誰だろう?」と調べてみたのをきっかけに、声優という仕事を知りました。この職業なら、魔法少女にもエルフにもロボットにもなれる。小学校5年生の頃だったと思いますが、自分の“なりたいもの全部になれる”ような気がして、とてもワクワクしたのを覚えています。

 

──スクールに入るまでには、どんな道のりがありましたか?
遥元 中学生の頃にはすでに養成所に通いたいと思っていたんですが、家庭の事情もあって、すぐには言い出せなくて。家族からは「安定した職に進んでほしい」と言われていたこともあり、高校進学時には警察官を目指すことにしました。警察官学校は学費がかからず、在学中も給与がもらえるので、良い選択肢だと思ったんです。
でも、文理選択のタイミングで募集要項を改めて見直したら、視力検査の基準が裸眼0.6以上必要で。私は0.1だったので受験資格そのものがなかったんです(笑)。そこでもう一度、「やりたいことは何だろう?」と考え直したときに、声優になりたい気持ちがどうしても消えず……。
高3のときに思い切って家族に「声優を目指したい」と伝えたところ、「自分の人生なんだから好きにしなさい」と背中を押してもらえました。その言葉が、本当に大きかったです。

 

 

 

──P’s Voice Artist Schoolに入所した理由を教えてください。
遥元 きっかけは専門学校に通っている時に、スワロウさんが審査員として来られたオーディションでした。他のスクールも色々調べていたんですが、演技の基礎だけでなく、歌とダンスの両方がカリキュラムに組み込まれているところって珍しかったんです。最初から全部セットになっているのは、大きな魅力でした。今の声優さんのお仕事って、演技はもちろんですが、歌やダンス、トーク力……プラスアルファの力が必要になってきている気がしていて。

 

──確かに、声優さんに求められるスキルは年々広がっていますよね。
遥元 私自身、小学生の頃には、アイドルへの憧れもあったんです。歌ったり踊ったりするのを仕事にするのって、すごく楽しそうで。でも、声優さんも“声優アーティスト”として歌う機会があるんですよね。「興味のあること全部できるかもしれない!」と思ったら、一気に夢が広がりました。自分の武器になるものを見つけたい気持ちもあったので、全部をバランス良く学べる環境に強く惹かれましたね。

──歌やダンスにも興味があったとのことですが、憧れの声優アーティストの方はいますか?
遥元 早見沙織さんです。キャラクターを演じながら歌も歌われていて、その姿にずっと憧れていました。だから、演技の基礎だけでなく、歌もダンスも本格的に学べるPVASは本当に理想的でした。色々なアーティストさんを育てているポニーキャニオンが運営しているスクールなので、歌のレッスンが充実しているだろうという安心感もありました(笑)。

──歌やダンス以外で、PVASで印象に残っているレッスンはありますか?
遥元 やっぱり基礎を鍛えるレッスンです。PVASでは、マイク前に立つ前に“体をどう使って声を出すか”から徹底的に教えてくれます。例えば叫ぶ演技も、力任せに出すと喉を壊してしまうので、どこに力を置いて声を支えるのかを理解する必要がある。身体の構造を知ることで演技の幅が一気に広がるんだと実感しました。
アフレコのレッスンも貴重な機会でした。現役の音響監督の方が講師として来てくださるんですが、監督によって指示の出し方が全然違うんです。論理的に細かく説明される方もいれば、「もっとこういう空気で」と感覚的におっしゃる方もいる。その違いにすぐ対応できるようになることが、現場に出た時にすごく役立ちました。

──他の生徒さんからの刺激も多かったのでは?
遥元 PVASには“預かり”(※スワロウでは所属すると最初に入るグレード)の方もスクールに通っていて。私のクラスにも2人いました。目の前に“所属レベル”の演技があるので、いつも参考にしながら学んでいましたし、悔しいけれど「私ももっと頑張らなきゃ」と刺激を受けていました(笑)。アフレコレッスンで、他のチームが受けている指摘も、全部自分ごととして吸収するように意識していたので、本当に勉強になりました。

 

──スワロウ所属になって約半年、どんな日々を過ごしていますか?
遥元 もう半年のような、まだ半年のような……不思議な感覚です(笑)。宣材写真の撮影、ボイスサンプル作り、オーディション、仕事と……毎日が新しい挑戦で、正直まだ手探りですが、一つひとつが新鮮で楽しいです。

──やはりPVASでの経験が、今生きていると感じることもあるのでしょうか?
遥元 特に印象に残っているのは、ワークショップでの朗読劇。兼役を任せていただいて、しかも主人公の親友と敵という真反対の役だったんです。切り替えがすごく難しくて苦戦しました。最後にポニーキャニオンのプロデューサーさんの前で発表する機会があり、そこではすごく楽しく演じることができて。その壁を乗り越えた経験が、今もお仕事で悩んだ時に「あの時あんなに頑張ったんだから」って助けてくれるお守りのような記憶になっています。

──最後に、入所を検討している方にメッセージをお願いします。
遥元 PVASの一番の魅力は、スクール生の段階からオーディションの機会があったり、実際の収録現場に参加できる可能性があることだと思います。私自身も在学中にアニメの現場に呼んでいただきました。それに、演技だけでなく、ダンスや歌も現役のプロ講師の方々から学べるので、いま声優に求められているスキルを総合的に身につけられる環境が整っています。

この記事を読んでいる方の中には、「自分なんて」と自信を持てなかったり、「私にもできるかな」と不安になったりしている方もいるかもしれません。実は、私もまったく同じ気持ちでした。

それでも、ほんの少しでも「やってみたい」「挑戦してみたい」と思える気持ちが心の中にあるなら、その気持ちを大事にして、一歩踏み出してみてほしいです。勇気が必要な場面はたくさんありますが、そこで積み重ねた経験は必ず力になります。いつか現場でお会いできる日が来たら、とても嬉しいです!

 

インタビュー:すなくじら